「職場が忙し過ぎて帰る時間が遅くて何もできない」
「疲れて休日はずっと寝ている」
このような声を良く聞きます。
PT・OTが働く職場は場所によって本当に違いがあり、
休憩時間も取れず残業が多い場所や、
定時まで15分程度自分の机で待機して時間ピッタリになったら帰れる場所などさまざまです。
本記事では、PT・OTが働くにあたって楽な職場はどのような職場なのか、
どうやってそのような職場探せば良いのか、
ブラック職場からホワイト職場を経験した筆者が解説します。
この記事の結論・・・
- 楽な職場を目指すなら慢性期(生活期)を選択しよう。
理学療法士・作業療法士で楽な職場ってどこ?アンケートの結果は?

クラウドワークスにて「PT・OTにとって楽な職場について」転職経験のあるPT・OT30名からアンケートを取りました。
- 平均年齢31.4
- 男:女=21:9
- PT:OT=18:12
- 平均転職回数2.3
【アンケート内容】
①職場において楽だと思う要素を一つ選んで下さい。
1.人間関係良好 2.残業時間なし 3.担当患者数少ない 4.取得単位数少ない
5.力仕事が多い 6.いつでも有給申請可 7.勉強会少ない
②楽な職場だったのはどこですか?(ご自身が体験した中で結構です)
1.急性期病院 2.回復期病院 3.慢性期病院 4.クリニック
5.デイケア 6.老健 7.特養 8.訪問 9.その他
③②では、なぜそれを選びましたか?(自由記述)
という内容です。
①は1人あたり2つの選択肢を選んでもらっています。
人によって経験してきた職場が違いますので、偏りが出る可能性が高いですが一つの参考としてご覧頂ければと思います。
【アンケート結果】
問①職場において楽だと思う要素を一つ選んで下さい。

このような結果となりました。
大体予想していた通りの結果でありました。
それでは一つ一つ解説していきます。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素

理学療法士・作業療法士にとって楽な職場とは、
主に人間関係が良いかどうかがカギになるようです。
1位から順番に並べると以下の通りです。
- 人間関係良好
- 残業時間なし
- 取得単位数少ない
- 勉強会少ない
- いつでも有給申請可
- 担当患者数少ない
- 力仕事が多い
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素①人間関係良好
人間関係については、PTOTに関わらず、どの職場でも重要な要素ですね。
仕事内容が楽しかったとしても人間関係が悪い場合はその職場に留まりたいと思えません。
30人のPTOTはいろいろな選択肢の中でも「人間関係が良好」であることが、
楽な職場であると考えているようです。
人間関係というと同職種であれば先輩や後輩、他職種であればDrやNsとの関係になるかと思います。
私が在籍していた職場でも、仕事は楽しいですが、先輩からの厳しいフィードバックが嫌で退職した人を数多く見てきました。
今まで経験してきた中でいうと、職員同士はお互いに干渉し過ぎない程度のスタンスでいることが最もチームワークが良い職場なのかなと思います。
楽な職場=人間関係良好といえるでしょう。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素②残業時間なし
残業時間がない職場が楽な職場という認識があるようです。
定時上がりができる職場はプライベートが充実すると言えます。
例えば5時が定時だとするとアフター5を楽しむことができますね。
また、子供がいる家庭では、早く帰れればその分子供と接する時間が増えますから家庭の時間を有効に使うこともできます。
中には残業時間を使って給料を稼ぎたいという人もいるようですが、
今回の30人はプライベートを充実させたいという点を楽な職場の要素に選んでいるということでしょう。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素③取得単位数少ない
取得単位数が少ない職場も楽な職場であるようです。
白本にもはっきり明記されていますが「18単位を標準」と設定している職場は多いのではないでしょうか。
18単位であれば、カルテの記載時間等を鑑みてもスムーズに業務ができれば定時で上がれる可能性があります。
しかし職場によってはリハビリの売り上げをあまり重視していない施設もあり、そのような施設は「16単位」などの設定をしています(私の友人の職場は16単位が1日の目標です)。
そのような職場では、定時が17時だとしたら16時過ぎには業務が終わっておりカルテをしっかり書いても17時前には帰る準備ができ、17時と同時に帰宅の途につくそうです。
残業もなく毎日定時であがれるのであれば、それは楽な職場であるといえそうです。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素④勉強会少ない
今回アンケートを回答頂いたセラピストにおいては、勉強会が少ない職場は楽な職場と言えるようです。
確かに、勉強会が頻繁に開催される職場は昼休みや業務後に開催することも多く、しかも残業代としてカウントされることはありませんので単純に負担になると思われます。
私が以前いた職場も、毎週のように各職種が勉強会を開いておりました。
参加は任意と言われていましたが、参加しないと白い目で見られることがあり結局は強制参加のようなニュアンスになっていました。
勉強会が多い職場は厳しく、少ない職場は楽であるという認識があるようですね。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素⑤いつでも有給申請可
自分が取りたい時に有給申請ができる職場も、楽な職場という認識があるようです。
有給休暇は100%消化できることが普通であると思いますが、
職場によっては100%どころか50%程度しか消化できない職場もあります。
そのため「年間で有給休暇を5日取得させなければいけない」という法律ができたという経過があります。
確かに、気兼ねなく休みたい時に休める職場は楽ですよね。
反対にブラックな職場では簡単に休みの申請ができないようです。
楽な職場の要素として、いつでも有給申請が可能であることは重要ですね。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素⑥担当患者数が少ない
楽な職場は単位数が少ないだけでなく「担当患者数が少ない」ことも重要な要素のようです。
担当患者数が少ないということはカルテを書く人数が少ないということでもあるため、必然的にカルテを書く時間も少なくなります。
また、1人の患者さんや利用者さんに充てる時間が長くなるため、セラピストが焦らずリハビリを実施することができます。
反対に担当患者数が多い、例えば1日18人を回ったりする場合、時間に追われてしまい焦ってリハビリを提供しなければいけません。
回転を早めなければいけないので決して楽とはいえません。
理学療法士・作業療法士にとって楽な職場の要素⑦力仕事が多い
今回のアンケートの中では楽な職場を規定する要素の中で相対的に最下位になったのが「力仕事が多い」という要素です。
リハビリは重症患者さんを介助することがあるためブルーカラーの側面もあります。
力仕事が多いと体力的に大変なイメージがありますが、
他の要素と比べると優先すべき部分ではないのかもしれません。
今回アンケートを取ったセラピストは若い方々が多いので、そういう意味でも相対的に順位が下がったと考えられます。
理学療法士・作業療法士にとって最も楽な職場とは

続いて、どのような領域が楽な職場なのかアンケートを取ったのでその結果を提示します。
【アンケート結果】
②楽な職場だったのはどこですか?(ご自身が体験した中で結構です)

結果からは、ぶっちぎりで慢性期(生活期)病院になりました。
ただ、アンケートを取らせて頂いたセラピストは経験にばらつきがありますので、一つの参考として受け取って頂ければと思います。
理学療法士・作業療法士にとって最も楽な職場は慢性期(生活期)
慢性期病院と回答したセラピストにその理由も記述していただいています。
理由①:急性期は、病態が落ち着いていないため病態が安定していない。そのためリハビリ自体にリスクがあるため、常に気を張っていなければいけない。慢性期病院は状態の変動はあまりないから楽。
理由②:急性期と違い、カンファレンスが頻繁にない。そのため楽。また、状態が安定しているから気が楽。のんびり勤務できる。少し介護色もある。
理由③:リスク管理に気を使わなくて良いから。スタッフも殺伐としてない。
今回のアンケートにおいては「慢性期が楽」という回答結果でした。
慢性期が絶対的に楽だとは思いませんが、急性期や回復期のように、急変リスクが少ないことは確かです。
病態が落ち着いているというだけでも精神的に楽だと感じるセラピストが多いということでしょう。
理学療法士・作業療法士が楽な職場で働くためにはどうしたら良いの?
PTOTが楽な職場で働くためにはどうしたら良いのでしょうか?
領域は「慢性期」です。
続いて「楽な職場」の得票数ベスト3をピックアップします。
- 人間関係良好
- 残業時間なし
- 取得単位数少ない
という要素でした。
これらの要素が組み合わさった職場が「楽な職場」というわけですね。
もしあなたがこのような要素が揃った職場で働きたいと考えた場合、どうしますか?
転職サイトを利用して転職活動をしましょう
「楽な職場」を見つけるには、
それには理由があります。
転職サイトを利用すれば、希望する職場の内部情報を教えてくれることがあるからです。
内部情報は一人で転職活動をしてもなかなか探ることができません。
しかし転職サイトの担当者は、
人間関係や残業時間、取得単位数などの情報をもっていることがあるのです。
また、聞いた段階で情報を持っていなくても、
求人先に確認してくれることもあります。
例えば、人間関係であれば過去3年間の離職率などですね。
一般に離職率が低い職場=定着率が良い職場と言い換えることができ、
それだけ退職する必要がない働きやすい職場であるといえます。
離職率などの情報を教えてくれるのはかなり大きいアドバンテージになるのではないでしょうか。
このような感じで転職サイトを利用することが「楽な職場」を見つけるための最適解だと思います。
理学療法士・作業療法士で楽な職場ってどこ?のまとめ

理学療法士・作業療法士で楽な職場について解説しました。
もう一度まとめますと、
- 「慢性期」
- 人間関係良好
- 残業時間なし
- 取得単位数少ない
という4つの要素がある職場はPTOTにとって楽な職場と言えそうです。
では、このような職場を探すにはどうすれば良いかというと、
「転職サイト」を活用して内部情報を教えてもらうと良いでしょう。
内部情報をすべて鵜呑みにすることは危険ではあると思います。
そのため、転職サイトから情報収集してもらいながら、
自分でも施設見学の時に施設の代表に質問して、
辻褄を合わせる作業を行うと良いでしょう。
「楽な職場」で働くことができれば、プライベートを充実させることができます。
私も慢性期の経験がありますが、正直業務内容でいうと楽です。
定時で帰れる職場であるならさらに楽と言えます。
もしあなたが「楽な職場」を目指すのであれば、慢性期の病院を目指すと良いでしょう。
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