「日商簿記2級持ってるんですか?すごい!」
「簿記2級って難しいですよね?」
近年、日商簿記2級の難易度はどんどん上がっており、
上記のように反応する人が増えてきています。
実際に勉強してみるとその難しさがわかりますね。
そこで、本記事では日商簿記2級がどのくらいすごいのかを他の資格と比較しながら、その難易度を解説していきます。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析

日商簿記2級を取得するにはなかなか大変です。
実際に試験を受けてみると、その問題の難しさがわかりますね。
ここでは、日商簿記2級のすごさを色々な角度からみていきます。
- 試験の難易度から
- 合格率から
- 資格の偏差値から
- 他の資格との比較から
- 会計知識から
- 就職活動から
日商簿記2級はすごい!すごさを分析①試験の難易度から
日商簿記2級の試験に合格できるまでの勉強時間は400時間程度と言われています。
なぜそれほどまでの勉強時間が必要かというと、
商業簿記だけでなく工業簿記も勉強しなければならず出題範囲が広く、
日商簿記1級の出題範囲だった税効果会計やリース取引等も試験範囲に追加されたためです。
以前に比べて出題範囲が広がり、その分、勉強時間を充てなければならなくなりました。
また、日商簿記2級試験は他の普通の資格試験と違い記述試験となっています。
選択式であれば明らかに間違った選択肢を消していき正答率を高めることができますが、
簿記試験においては数字を1文字も間違えることができず、完璧な正答が求められます。
ヒューマンエラーが起こりやすい解答方法ということもあり、
日商簿記2級に合格することはすごいと言えるでしょう。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析②合格率から
日商簿記2級の合格率はどうでしょうか?
2010年から、過去5年毎の合格率の平均値を出しました。
2010年~2014年まで:ave30.5%
2015年~2019年まで:ave23.1%
2020年~2022年(6月)まで:ave21%
このように、年々合格率が下がっており、直近3年間の合格率は21%です。
5人受けて4人落ちるという衝撃の難易度ですね。
今度は最も低い合格率について調べてみました。
最も低いのは107回の5.7%です。
次に低いのは157回の8.6%です。
余談ですが、私が2級を受験したのは今から約15年前で107回の時です。
つまり5.7%の回でした。自己採点71点でしたが、独学でなんとか合格できました。
まさか簿記2級であんなに苦戦すると思っておらず、絶対落ちたと思ってました。
当時の合格発表はかなり興奮したことを覚えています・
過去の合格率を追うと、最近は合格率が10%台となる試験回も多くなってきています。
また、私が受験した時と比べても、明らかに問題の難易度が上がっているのがわかります。
10年20年前は簿記2級はそこまですごいと思われてなかったと思いますが、
ここ数年の合格率から考えると、立派な難関資格と言えるでしょう。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析③資格の偏差値から
続いて、資格偏差値から日商簿記2級のすごさを見てみます。
資格偏差値でいうと、日商簿記2級は概ね56~58程度と言われています。
他の資格でいうと宅地建物取引主任者(宅建)と同じ程度と言われております。
余談ですが、営業職などに就いた時に職場によって資格手当がでますが、
宅建2万、簿記2級2万とほぼ同額の手当が設定されたりします。
偏差値56~58程度は全資格の中でも2割に入る難易度です。
全体の20%ですから、上位資格と言っても良さそうです。
このことから、日商簿記2級はすごい資格といえるでしょう。
ちなみに日商簿記1級は偏差値65程度と言われています。
最難関が司法試験で72なので、簿記1級も相当ですね。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析④他の資格との比較から
先ほどは単純に偏差値から見てみましたが、
今度は他の資格と比較してみて、
よりそのすごさを実感してみましょう。
日商簿記2級資格と他の資格の難易度を比較すると次のようになります。
■日商簿記2級と他の資格の難易度順
司法試験>公認会計士>司法書士>税理士 >中小企業診断士 > 社会保険労務士=日商簿記1級 > 行政書士=全経上級 >>> 宅地建物取引主任者 = 日商簿記2級 > FP2級 > 英検2級 > ケアマネージャー
これを見ればわかりますが、
日商簿記2級は社会保険労務士や行政書士よりも簡単であり、ファイナンシャルプランナー2級や英検2級よりも難しい資格であるといえます。
偏差値が60に近い資格を取得するには何百時間の勉強が必要と言われています。
それは日商簿記2級に近い資格である宅建やFP2級も同様です。
このことからも、日商簿記2級は取得するには難しい資格といえます。
日商簿記2級はすごい資格といえるでしょう。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析⑤会計知識から
簿記2級では商業簿記だけでなく工業簿記も範囲に加わります。
工業簿記では、メーカー等の製造業で扱われる会計処理が学べます。
この工業簿記は工場を持っている会社でも生かすことができる会計知です。
また、上場企業など大企業で行われている連結会計処理などもその試験範囲に含まれています。
さらに、大手企業や中小企業まで、ほとんどの経理事務募集においては「日商簿記2級程度の知識」を募集要項に掲載している会社が多いです。
このことから、日商簿記2級の会計知識があればどのような会社でも活用することができますし、
求められるレベルの知識であると言えます。
会計知識の点から見て、日商簿記2級はすごい資格と言えますね。
日商簿記2級はすごい!すごさを分析⑥就職活動から
日商簿記2級は就職や転職活動でも活躍が期待できる資格です。
会計事務所や経理事務への就職においては、
日商簿記2級を保持またはそれに準じた知識が応募条件になっている職場も多いです。
実際に、私は以前経理事務で正社員として働いていましたが、
日商簿記2級を保持していることで未経験から経理事務に就職することができました。
経理の場合、経験がなければ就職はなかなか難しいです。
しかし、ない経験を補う際に簿記2級は力を発揮します。
ただ、会計系の募集には同じように日商簿記2級を持った人が応募してくるため、
他に何かアピールできるポイントがあると良いと思います。
話が逸れましたが、会計系への就職活動において日商簿記2級があると有利に働きます。
そのことからも、日商簿記2級は実用性があってすごい資格と言えるでしょう。
日商簿記2級は大したことないと言われる真実について

今まで、日商簿記2級のすごさについて解説しました。
とはいえ世間的な評価では、
「日商簿記2級なんて取れて当たり前でしょ」なんて言われることがあります。
なぜこのようなことが言われてしまうのかを考えてみたところ、
以下の理由からだと思われます。
それは「以前の日商簿記2級は受かりやすい資格だった」からでしょう。
昨今の日商簿記2級は以前と比べて難しい試験になっています。
しかし、世間では以前の簡単な頃のイメージが残っており、
簡単な資格だと思われているのでしょう。
以前の日商簿記2級は以下のような特徴でした。
・平均合格率は30%。ただ、40%台の合格率の試験回も複数回あった。
・試験問題は過去問からの流用が多かった。過去問をこなせば5~6割は取れた。
・内容も基礎的なことが多く、範囲も今ほど広くなかった。
このような特徴から、
以前の日商簿記2級は対策が立て易く、
バターンさえ暗記してしまえばそこまで苦労しないでも取れる資格でした。
こういった感覚が世の中に知れ渡っており、簡単なイメージを作っているのでしょう。
なので「日商簿記2級は簡単だよ」という言葉は真に受けない方が良いでしょう。
実際に受験した人は、難易度をわかっています。
つまり、現在の日商簿記2級に合格することってかなりすごいことです。
日商簿記2級はすごい!のまとめ

本記事は日商簿記2級のすごさについて解説してきました。
日商簿記2級のすごさについてまとめると以下になります。
・日商簿記2級は平均合格率20%。5人に4人は落ちてしまう。
・日商簿記2級試験の難易度は以前と異なり年々合格することが難しい試験になっている。
・日商簿記2級は誰でも取れる資格とはいえない。
そして、日商簿記2級を取得した後は会計系への転職が可能になりますから、会計系に就職希望を持つ人にとっては資格の価値はかなり高いと言えます。
日商簿記2級を取得するには本格的にまとまった勉強をしなければ難しいです。
取得までは大変だと思いますが、取得してしまえば生涯有効です。
ぜひ、日商簿記2級の取得を目指してはいかかでしょうか?
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