理学療法士や作業療法士が働く病院やクリニックなどの職場には意外にもブラックが多いと言われています。
では、ブラックな職場とはどのような職場を指すのでしょうか?
ブラックな職場とは、「極端な長時間労働やパワーハラスメントなどが横行する環境で従業員を酷使し、従業員の心身に過重な負担を強いながらその状況を改善しようとしない職場」といわれています。
私は過去、ブラックに近い職場に勤務してました。
働いている内に心身が疲弊したため、転職に踏み切って定時で帰れる職場に移ることに成功しました。
ブラックで働いていると、そこの異常性に気付かないことがあります。ましてや、そこが初めての職場だとしたらそれが「一般的なのかも」と思ってしまうかもしれません。
この記事では、ブラックの特徴やブラックの見分け方などを解説していきたいと思います。
この記事を読むと・・・
- ブラックな職場の特徴がわかる
- ブラックな職場を見分け方がわかる
- ブラックな職場を避ける具体的な方法がわかる
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴8選
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴①サービス残業が当たり前(長時間残業)
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴②そもそも業務時間内に終わらない仕事量(毎日21単位以上リハビリしている)
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴③給料が低い
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴④休日が少ない、有給が使えない
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑤指導・教育ではなくパワハラ
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑥簡単に辞められない
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑦リハビリ以外の仕事が多い
- 理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑧離職率が劇的に高い
- 職場がブラックかどうかを診断してみましょう
- 現在ブラック職場に勤務している理学療法士・作業療法士のあなたへ
- ブラック求人・ブラック病院の見分け方
- 理学療法士・作業療法士がブラック求人を掴まないために行うべきこと
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴8選

私自身や周囲の情報からブラックな職場環境だと思われる特徴を挙げました。
解説していきます。
- サービス残業が当たり前(長時間残業)
- そもそも業務時間内に終わらない仕事量(毎日21単位以上リハビリしている)
- 給料が低い
- 休日が少ない、有給が使えない
- 指導・教育ではなくパワハラ
- 簡単に辞められない
- リハビリ以外の仕事が多い
- 離職率が劇的に高い
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴①サービス残業が当たり前(長時間残業)
労働基準法によると、月の残業時間の上限は45時間と定められています。
1日あたりの労働時間に直すと「1日8時間労働+2時間15分」の残業をするということです。
現在あなたが勤務している職場はどうでしょうか?
私が以前勤めていた職場は月の残業時間が40時間を超えるような職場でした。
ただの臨床業務だけなら良いのですが、ある程度経験年数が経過してくるとリハ科運営会議という会議に出席しなけらばならず、その会議が平気で2時間3時間かかってしまうのです。
それが頻繁にありました。残業費はある程度出ますが、全て出るわけではありません。
こんな感じで職場に拘束されている時間は長く、また、当然のようにサービス残業がありました。
勤めている時は「残業代もそこそこ出るし、サービス残業でもまぁ良いか。職場のためになるし」と考えていました。
しかし、振り返ってみるとブラック企業の特徴に当てはまっており、紛れもなくブラックでした。
私の場合は全てではありませんが残業代が出ていました。しかし、残業時間が長く残業代が出ない職場もあると聞きます。
もしそのような職場にいるとすればあなたのためになりません。できるだけ早く転職をしたほうが良いと思います。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴②そもそも業務時間内に終わらない仕事量(毎日21単位以上リハビリしている)
単位数は一般的には「18単位」に設定されていることが多いと思います。
カルテ確認や患者とのやりとり、移動時間などを含むと18単位が適切な単位数だと思います。
18単位であれば、業務時間内で仕事を終わらせることができるでしょう。
「19単位」ですとかなりギリギリになりますから、カルテを休憩中に書いたりする工夫が必要かもしれません。
恐らく、そうしないと定時であがることは難しいでしょう。
「20単位」以上になると、まず業務時間内には終わりません。
もし20単位取得して定時で帰っているような人がいるとすればその人は休憩をまともに取れていない可能性が高いです。
もし、リハビリ室の目標単位数が20単位以上と提示されているとすればその職場は目標が高すぎます。
施設側からリハビリにそこまでの目標設定を求めることは考えにくいですから、職場長の考え方かもしれませんね。
いずれにしても「20単位以上」を目標に設定している職場だとすれば、業務過多だと思われます。残業になるのは当然ですし、健全な状況ではないでしょう。
もし「21単位」などの場合はブラックです。転職しましょう。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴③給料が低い
給料が低い場合、一概にブラックと決めつけることはできません。
しかし例えば、給料が低い+残業時間が長い、給料が低い+休憩時間が少ないなどであればブラックの可能性があります。
また、近隣の相場の給与に比べて少ない場合は業務が楽でない限りはブラックと考えて良いでしょう。
地域差があるため一概に言えませんが、例えば経験5年目で年収300万程度だとすれば低いと考えて良いかもしれません(PT5年目の給与の平均は350~400万程度)。
ただし、その程度の給与でも働く価値があると考えるのであれば価値を感じている間は勤務を続けたほうが良いかもしれません。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴④休日が少ない、有給が使えない
年間の最低休日数は105日です。
そのため、105日程度の休日の職場は休みが少ない職場です。
休日数が105日に近い場合、その職場は日本企業の平均休日数より少ないことになります(110日)。
また、有給が思うように使えない職場もブラックに近い体質を持っていると思います。
基本的に、有給は100%近く使えることが普通だと思います。
もし有給消化率が低い職場であるならば、その組織自体に健全性がないと言えるでしょう。
休日が105日近く有給消化率が低い職場はブラックに近いと覚えておきましょう。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑤指導・教育ではなくパワハラ
名目は指導や教育としながら、単なるパワハラが横行する職場は完全にブラックです。
例えば、職員全員の目の前で「バカ」「だめな奴だ」と毎日のように叱ったり、ミスをすると「後輩のほうがよっぽどできる」といった侮辱的な言葉を浴びせたりすることですね。
ここまでの罵声でなくても、他の職員に聞こえるように注意をすることはパワハラと言われてもおかしくない行為です。
私は何度もそのようなシーンを見てきましたが、気分が良いものではありません。
特にリハビリでは指導的なフィードバックが長くなる傾向があります。
横で話を聞いていると、大抵の場合は本質からズレた部分で注意をしたりしていて「何のためのフィードバックなの?」と疑問を持つことが多いです。
新人や後輩ができないのは「ほとんどの場合は指導者の力不足」と良く言われますが、概ね正しいと思います。
もし、パワハラまがいの行為を受けた場合はそんな職場にいる必要はありません。
すぐに転職しましょう。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑥簡単に辞められない
リハビリ業界の慣習なのか、私が今まで退職した職場はなぜか「半年前には言ってほしい」や「最低3ヶ月前には言わないとダメ」と言ってきました。
普通の職場においては場合によりますが、1ヶ月前くらいに申告すれば退職は可能なはずなんです。
しかし、PTの職場においては「それはダメだよ」と注意され簡単に辞められません。
私は思わず「え?なぜですか?」と聞き返してしまいました。
法律的には「2週間前」に意思を伝えれば退職できるのですが…まぁ確かに職場のことを考えると2週間前は少し遅いような気がします。
ですが、送りなどを考えた場合でも「1ヶ月前」くらいに申告すれば十分ではないでしょうか?
むしろ「1ヶ月前」で文句をいう職場はその組織に問題があるとしか思えません。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑦リハビリ以外の仕事が多い
リハビリ以外の仕事として、係や委員会やワーキンググループなどがあります。
それだけなら良いのですが、一人の人に仕事が偏っていたりした場合は正常ではないといえます。
職場によっては仕事を押しつけられたりしますから、リハビリ以外の仕事が多い場合は注意が必要です。
理学療法士・作業療法士の職場でのブラックな特徴⑧離職率が劇的に高い
いうまでもなく、離職率が劇的に高い職場はブラックと言えるでしょう。
厚生労働省が公表している「雇用動向調査結果の概要」によると、令和2年上半期における日本の企業における離職率は8.5%でした。
一般に、離職率30%を超える会社はブラック企業の可能性が高くなると考えられています。
そして、離職率50%以上の場合は間違いなくブラック企業であるといえるでしょう。
離職率が高いということは、その職場に問題があるという証明になります。
私の職場は1年未満の新人の離職率が50%を超えていました。完全にブラックと言えそうです。
職場がブラックかどうかを診断してみましょう

ブラック職場の特徴を解説しました。
続いて、あなたが勤める職場がブラックかどうか診断してみましょう。
1つでも当てはまればブラック職場と考えて良いです。
□月45時間を超える長時間労働
□有給休暇が自由にとれない
□地域相場に比べて給料が低すぎる
□給料の減額がある
□残業代が一切出ない
□毎年1人以上の自己都合退職者がいる
□パワハラと思われる指導がある
どうでしょうか?
もしこれらの項目に当てはまるのであれば、すぐにでも転職を検討しましょう。
そのような職場に在籍していても良いキャリアを築けるとは思えません。
現在ブラック職場に勤務している理学療法士・作業療法士のあなたへ

あなたの職場が上で挙げた特徴に一つでも当てはまるようならば、気付かないうちにブラックな職場で働いている可能性があります。
ブラックな職場に勤務することは貴重な時間をムダにしていると考えましょう。
それどころか、肉体的・精神的に追い込まれる可能性があるため建設的といえません。
その職場から離れること、つまり転職を考えましょう。
ただ、ブラックを経験してしまうと転職の時に考えるのが「転職先がまたブラックだったらどうしよう」ということです。
確かに、ブラックから転職しても次の職場がブラックではないという保証はありません。
ではどうすれば良いかということですが、ある程度「ここはブラックかも」と求人募集要項から推測することができます。
具体的にどのような部分からそのように判別できるか解説していきます。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方

それではブラック求人・ブラック病院の見分け方を下記に挙げていきます。
- 給料が相場より高すぎる
- キャッチコピーがきれい
- 年間休日数は本当の数字ではないかも
- アットホーム
- 常に求人広告が出ている
- 若い人をアピールする職場は使い捨てリスクも
ブラック求人・ブラック病院の見分け方①給料が相場より高すぎる
その地域の相場よりも給料が高すぎる場合、何か裏がありそうです。
飛び抜けた条件を提示しないと人が集まらない、すぐに辞めてしまう求人と言えます。一見、給与条件が良いので飛びつきたくなるのですが、いったん止まって大丈夫なのかよく考えましょう。
給与が高すぎるということは、それだけ業務が忙しい可能性もあります。
私は過去、求人サイトで求人を探していた時、管理職でないにも関わらず年収600万の老健の求人を見つけてその求人の情報を集めたことがあります。
すると「給与支払い滞納」や「ボーナスカット」など耳を疑いたくなるような事実がありました。
結局、甘い条件を提示してくる求人は必ず裏があるということです。中には企業努力によって本当に良い条件での求人があると思いますが、大半はブラックと捉えたほうが良いでしょう。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方②キャッチコピーがきれい
求人情報のキャッチコピーがきれいなこともブラックの可能性があります。
もし下記の言葉がたくさん使われている場合は事実かどうか怪しかったり、本当のところは過重労働だったりするかもしれません。
・夢、実現、成長、感動
・努力、やりがい、熱意
求人情報ではきちんとした人が来てくれるように、いろいろなパワーワードを使ってアピールしてきます。広告に出す段階で特に書くことがない場合は上記のワードを使って職場の印象を上げようとしてくるのです。
このような表向きキレイな言葉を使う職場は仕事が厳しい可能性があります。繰り返し「努力」や「やりがい」を強調する職場においては単位のノルマなどが厳しかったり残業が多いのかもしれません。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方③年間休日数は本当の数字ではないかも
例えば年間休日125日と記載があったとします。
この表示を見た時、公休だけで125日と捉える方がほとんどだと思います。ところが、125日の内訳に、有給休暇の日数が含まれている場合があります。
信じられないかもしれないですが、このような表記をしている募集は結構ゴロゴロしているのです。
だまされないように注意をしましょう。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方④アットホーム
みなさん知っているかもしれませんが「アットホーム」とは一部では地雷求人と言われているフレーズです。一般に「家のように心地良い」「仲間意識が強い」というイメージで使われますが、実際はそうではないことがほとんどでしょう。
例を挙げると「既にいる職員の仲間意識が強く、社内でグループが出来てしまっていて新入職者が輪に入れない場合」や「態度が悪いからと集団で嫌がらせをしてくる」などです。
また「プライベートと仕事の見境がなく、飲み会や休日のイベントなどの時間に割り込んでくる」ということもあるでしょう。
アットホームという文言がある場合はくれぐれも注意して下さい。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方⑤常に求人広告が出ている
常に募集をしている求人はブラックの可能性があります。年中求人を募集しているということは、入職しても短期間で退職したり、募集を掛けてもなぜか人が集まらないような職場でしょう。
集まらない理由は、条件的にも他の求人に比べて給与が高すぎたり低すぎたり、休みが少なかったり…労働者のことを考えていない要件で募集している可能性があります。
その場合は募集を掛けても人が応募してこないために常に募集しているのかもしれません。
求人を探し始めると、人気がなくいつも募集している職場がなんとなくわかってきます。求人情報にアンテナを張って注意しましょう。
ブラック求人・ブラック病院の見分け方⑥若い人をアピールする職場は使い捨てリスクも
若い人の活躍を強くアピーしている職場は若い人を使い捨てる可能性があります。次のような文言がある求人募集は注意が必要です。
「若手を積極的に採用中」「新入職者でも1~2年で役職者に」「年功序列廃止」などですね。
若者が活躍できると聞くと、活気があって景気も良く勢いがあるイメージです。
しかしこのような言葉が並んでいる職場は教育体制がしっかりしていない場合があり、ちゃんと教育を受けれないまま放り出されてしまう恐れがあります。
理学療法士・作業療法士がブラック求人を掴まないために行うべきこと

PTやOTがブラック求人を掴まないために行うべきことはどのような対策があるのでしょうか?以下に挙げていきます。
- 職場見学
- 職員から情報収集
- 転職サイトを利用する
理学療法士・作業療法士がブラック求人を掴まないために行うべきこと①職場見学
職場見学は非常に重要だと思います。むしろ、職場見学でしかその職場の真実が見えてこないと言っても過言ではありません。
見学でみるべきポイントはたくさんあると思いますが、ブラックかどうかの判断基準としてはスタッフ同士の話し方ややり取り、雰囲気である程度わかるかと思います。
例えば、高圧的な態度をしている職員がいたり、職員の前で職員を注意をしているシーンがあったりした場合はブラックの可能性があります。
そのような職員に注意ができていない職場は、組織として未熟であるため人間関係以外でもいい加減な点が多いと思われます。
職場見学はそのような実際の雰囲気を感じることができるチャンスだと思いますので、注意深く周囲を見渡してみましょう。
理学療法士・作業療法士がブラック求人を掴まないために行うべきこと②職員から情報収集
職員からの情報収集も重要です。ここでいう職員とは、求人先にいる知り合いの他職種の人ということです。しかし、そのような知り合いはいないことも多いですよね。
その場合、「転職会議」など、転職先のクチコミが記載されているサイトに登録して情報収集をすると良いと思います。
私も使ったことがありますが、すべての職場のクチコミがあるわけではないのであった場合ラッキーくらいの感じで使うと良いかと思います。
理学療法士・作業療法士がブラック求人を掴まないために行うべきこと③転職サイトを利用する
最も重要な対策です。
転職サイトを利用してみましょう。
転職サイトを利用することで、知り得なかった裏情報を知ることができます。
例えばですが、自分が希望している求人先の退職情報などを調べてくれたりします。ここ数年で何人退職していて、退職理由は○○だった、などです。
転職サイトはその職場の雰囲気なども教えてくれたりします。もちろん全て正確な情報と考えることは危険ですから、参考程度にすると良いです。
まったく情報がないよりはかなりマシですからね。
私も転職活動をした時に、ブラックな職場だけは入らないようにするために転職サイトからその都度情報をもらっていました。
また、転職サイトは基本的にブラック求人を提示することがないと言われており、自分で求人サイトで求人を探すよりは安心できました。
上で解説してきた特徴が当てはまらないかどうかを担当者に都度確認しながら転職活動をしていくべきです。
サービスは全て無料で使うことができます。
使ったほうが安心して活動できますからぜひ利用してみて下さい。
転職サイトのメリット・デメリットについてまとめてます。参考にして頂けると幸いです。
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