理学療法士は休みが少ないと言われます。それは理学療法士に限らずリハビリの職種である作業療法士や言語聴覚士も同じであり、もっと言うと医療業界全体が他の一般職に比べて休みが少ない業界です。
あなたが勤めている施設は年間休日はどのくらいありますか?
年間休日105日や110日、120日などはよく目にする数字だと思います。数字で見ると結構違う感じがしますが、どの位違ってくるものなのでしょうか?
私は仕事が好きなほうなので年間休日が少なくても「別にいいか」と思っていました。
しかし、よく考えたらいつまでも若い体でいられるわけもなく「年を取ってきて年間休日が少ない仕事をしていくのはキツいんじゃないか?」と考えるようになりました。
私の以前の職場は年間休日108日。あれ?これって少ないんじゃ?って勤務する中で気付いていきました。
他の施設はもっと休みがあるって聞くし、出勤日数が多い割に年収も安いし…。そのくせ仕事量は多く管理もやらされるし…。
他にもいろいろあって職場に対するフラストレーションが溜まっていきました。
そして…私は転職サイトを利用する際に「給与がまずまずで年間休日が多い職場」という希望を胸にして転職活動を開始しました。
もしあなたも現在の職場の休日が少ないと感じているなら転職を検討してみたも良いのではないでしょうか?
今回は理学療法士と年間休日の関係について解説します(今回は勤務時間や残業時間については含めてません。あくまで休日数のみにスポットを当ててます)。
理学療法士の休みはどのぐらい取れる?

まずは労働基準法で定められている最低ラインの休日数を明らかにしましょう。
結論からいうと、年間休日の最低ラインは105日とされています。
105日という日数の計算方法は、労働基準法に乗っ取って算出された数字です(下記に計算方法をのせますが、興味なければ飛ばして下さい)。
・労働時間は1日8時間、週40時間
・最低週に1回、または4週間に4回の法定休日を取る
つまり1年間の労働時間は40時間×52週=2080時間です。この2080時間を1日の労働時間の8時間で割ると、260日という年間労働日数になります。
1年を365日として、そこから年間労働日数260日を引くことで最低限の年間休日は105日と割り出せます。
この数字が法律上の最低ラインです。
これを踏まえて理学療法士の平均年間休日数を調べてみると…110日程度との事です。
厚労省が行っている就労条件総合調査によると医療・福祉業界全体の平均は111日ということなので概ね同水準になります。
ちなみに日本全体の企業の平均休日数は120日でした。
理学療法士の年間休日数は日本の一般企業の平均より少ないという結果です。

110日っていう数字で見ると少ない感じだけどまずまず休めてる感じだね。でも具体的なイメージが湧かないなぁ
具体的なイメージですが・・・
年間休日110日の場合、完全週休2日制で祝日が出勤というパターンがあります。
年間休日の最低日数は105日として残りの日数を「夏季休暇」や「年末年始の休み」にあて祝日は出勤という感じですね。
もうひとつは一部の土日を出勤日として祝日は休みとするパターンです。
日曜日と祝日が休日で「土曜日は隔週で出勤」「月に一度は土曜日も出勤」とします。その場合は、残りの休みを「夏季休暇」や「年末年始の休み」にあてられます。
理学療法士の職場は上記のパターンが多いのではないでしょうか?
しかし、理学療法士が働く職場の中には年間休日120日や126日休みの施設もあります。
この場合は「完全週休2日制」+「祝日休み」+「夏期休暇」や「年末年始休み」という感じになります。
私が公務員病院に勤務していた時は年間120日以上休みがあり、公的病院、私立病院勤務では109~110日程度の休みでどちらの休日数も経験しています。
そんな私が思うに…休日数は多いに越したことはありません。
絶対に休日数は多いほうが良いです。当たり前ですかね(笑)
私は仕事が好きで休みなんていらないと思っていたタイプです。
そんな仕事が好きな私でも年齢を重ねていくうちに休日は多いほうが良いと感じるようになりました。
また、プライベートでも結婚したり子育てをするようになると仕事ばかり追えなくなってしまいますね。休みの重要性に気付いていきます。
そんな訳でプライベートをしっかり取れる休日数が多い職場に移るという選択肢を持つと良いと思います。
では、年間休日が多い理学療法士の職場とは一体どこなのでしょうか?
理学療法士の休日はいつ?施設別に特徴を紹介
実は理学療法士の場合、勤務する職域によって休日数が大きく違ってきます。

休日数って施設別にどのくらい違うんだろう?
施設別に特徴を紹介しましょう。
- 病院
- クリニック
- 介護施設・デイサービス・訪問看護ステーション
- 学校教員
- 行政
病院
一般病院では日曜祝日が休みになることが多く、それに準じて理学療法士も休みになります。そのため平日にもう1日休みを取って週休2日になるケースが多く見られます。
また、週休2日制ですから週の休みは「2日」になるため、ある週に祝日がある場合は「祝日+日曜」という休み方になります(祝日があると公休は入れられない。週3日の休みになってしまうため。有給はもちろんOKですが)。
一方、急性期病院や回復期病院では365日体制でリハビリを行っていることが多いです(以前は急性期病院でもカレンダー通りの休みのところもありましたが、少しずつ365日体制に移行してきています)。
その場合の勤務はシフト制になり、日曜祝日などの曜日に関係なく休みを取ることになるでしょう。
シフト制の場合は、週に2日の休みを自分が希望する曜日に入れていくことになります。この場合は自分の希望する曜日の休みが取れますが、必ずしもそうではありません。
なぜなら、他のスタッフとの休みの兼ね合いになるためです。
毎回、自分の希望する休みが取れないこともある点は注意が必要でしょう。
夏季休暇や年末年始休暇についても同様で、他のスタッフとシフトを合わせながら休みを取得していくことになります。
私は過去「土日祝休みのカレンダー通りの職場」と「365日体制」の職場に在籍していました。
カレンダー通りの職場ですと、祝日がなければ週5日連続で出勤する必要がありますが、必ず固定の2連休になりますので休日は旅行など自分のやりたいことを行いやすかったです。
ただ、GWや年末年始などはどちらか一方は必ず1回出勤しなければいけないというルールがありました。このルールは地味に嫌でしたね。もう退職しましたが現在は更にそういうルールが増えてきているかもしれません。
365日体制の職場の場合は、概ね自分が休みたい曜日に休みを取得できたので平日にやりたいことがやりやすかったと思います。銀行に行ったり郵便局に行ったり用事を済ませやすかったです。
また、平日休みの場合は出掛ける施設が空いていることが多いのでその意味では平日休みも悪くないなと感じていました。
クリニック
クリニックは、平日1日と日曜日、祝日を休診としていることがほとんどです。それに則って理学療法士も休みになります。また、クリニックによっては水曜午後、土曜午後から半日休診となる場合もありますよ。
夏季休暇や年末年始などの特別休暇は院長次第ですが数日間休診になる場合があります。総合病院などと違ってお盆や正月といった期間にまとまった休みを取りやすいのがクリニック勤務のメリットです。
また、クリニックは午後の開始時間が15時前後からのところが多いため、その分数時間休みがあったりします。その代わり、終業時間が18時や19時と遅い傾向にあります。
さらに最近は週休3日制を取るクリニックもちらほら出てきました。その代わり平日の拘束時間が長い設定になっていますね。朝8時から夜19時30分などです。
1日の拘束時間は長くても週3日休みは魅力的ですね。
最高なのは朝9時から夕方17時定時の週3日休みですが(笑)
介護施設・デイサービス・訪問看護ステーション
介護施設やデイサービス、訪問看護ステーションでは、土日祝日休みとなっている施設が多い傾向にあります。概ねカレンダー通りに休めるので家族や友人と予定を立てやすいと言えます。
休日が曜日固定なので予定を立てやすいことがメリットでしょう。
私の知り合いに話を聞く限りは、病院と比べると残業する機会は少ないと聞きます。とはいえ、施設によっては当然残業があると思いますので、定時で帰りたいから介護施設という考えは注意が必要ですね。
私は総合病院でやりたいことがあるために総合病院に在籍していますが、時期がきたら介護施設に転職したいなと考えています。
条件が良い職場も多いですし。何より、地域包括ケアユニットを考えていくにあたり重要なポジションにいるのがこのあたりの施設だと考えているからです。
話が脱線してしまいましたが、休日数も多い施設が多く、曜日固定でもあるので働き易い領域だと思いますね。
学校教員
学校教員は学校によってバラバラです。知り合いに話を聞いたり求人情報を見ると日曜と祝日固定が多い印象です。
ただ、土日休みでの募集をしている職場もあるようですから、教員になりたくて休みもカレンダー通りに働きたいという人は狙ってみても良いかもしれません。
求人数自体が少ないとは思いますが。
行政
行政とは一般職のことではなく、理学療法士資格を持つ専門職枠としてという意味です。
一般的に行政とは
- 国、都道府県、市、町、村
- 社会福祉協議会
- 身体障害者福祉協議会
- 保健所
- 市町村保健センター
- 地域包括支援センター(市や町などの直営の場合)
などを指します。
大体どこもカレンダー通りである場合が多いです。しかし、中には「日曜月曜」固定の職場もあったりしますね。
立場的には公務員または準公務員になるので一般的な公務員と同じようなイメージを持つと良いのではないでしょうか。
ちなみに市区町村での役所勤務の場合は年間休日は120日を超えていることが多いです。
うらやましいですね(笑)
職域毎に休みの取りやすさに違いがある
解説したように、理学療法士は職域によって公休数が大きく異なります。
そんな理学療法士ですが、一般企業と同じく有給休暇の取得が可能です。基本的に有給はいつでも取得することができると定められています。
しかし、職場によっては有給を積極的に取得できない場所もあるのです。あなたは年間でもらえる有給をすべて消化したことはありますか?
ほとんどの場合、有給を残して次年度に繰り越すことが多いでしょう(意識して残す人もいると思いますが)。
このような状況になる理由として、職場の状況やスタッフの人数によって有給が取りづらい環境にあるからといえます。
私が勤務していた職場は有給消化率50%だったり、有給消化率100%だったりしました。これは上司の考え方にもよりますからなんともいえないですが。
ただ、実は有給が取得しやすい職域、取得しにくい職域があります。
スタッフ数が少ないクリニックは有給の取得が難しい傾向にあります。患者数もかなりの数を診る必要があるため担当者の代行依頼することが難しかったりするんですよね。
私の知り合いはコロナが流行る前、熱が38度あっても代行を立てられず勤務したということを言っていました。
それくらい休みが取りにくい状況になっているということです。
反対に、回復期病院や急性期病院のようにスタッフの人数がそれなりに多い職場では代行を立てやすく有休が取得しやすい傾向にあります。
しかし、患者数とセラピスト数のバランスが悪い職場では簡単に有給を取得できないこともありますので、有給が取りやすい職域だとしても注意する必要があります。
また、肌感ですが、総合病院のほうが10連休などの休みを取得しやすいと思います。私は過去何施設か勤めていますが、総合病院勤務の時は夏休みは10連休程度取得できていました。
参考にして頂ければと思います。
年間休日120日の職場を選ぼう!
上でも解説しましたが、年間120日の職場は「完全週休2日制」+「祝日休み」+「夏期休暇」や「年末年始休み」という感じになります。
年間休日120日を体験したことがある身としては、できるだけ120日程度休める職場で働いたほうがプライベートを充実させることができると思います。
改めて見てみましょう。
年間休日の最低ラインは105日が目安
労働基準法における最低ラインは年間105日と考えられています。
もしあなたの勤務している職場が105日程度であるなら、休みが少ない状況であると思います。なぜなら基本的に毎週2日しか休むことができないからです。
せっかく苦労して国家資格を取得したのに、そんな労働状況では報われませんよ。
もし私が年間105日の職場で勤務していたとしたら確実に転職を考えます。
仮に残業がなく定時で帰れたとしても満足できない状態であるといえますね。
120日を経験している身としては105日は少ないように感じるのです。
また、施設によりますが、休日に勉強会などに参加することを勧めてくる職場もありますよね。必要があれば個人的に参加するものですが半ば強制してくることもあると聞きます。
そんな職場だとしたら休日はさらに少なくなってしまいます。
もし105日程度しか休日がない場合、転職を検討してみても良いのではないでしょうか?
年間休日120日で土・日・祝日が休みになる
やはり年間休日120日程度は欲しいですね。
「完全週休2日制(土日)」+「祝日休み」+「夏期休暇」や「年末年始休み」はかなり楽ですよ。
イメージ的には、子どもの頃の休みの感じです。
私が小中学生の頃は週休2日+祝日休みでした。肉体的にも精神的にもかなり楽だった思い出があります。
休みが多い分自分がやりたいこともできますしね。
また、PTの仕事はそれなりに体を使う仕事です。職場によっては全介助で患者さんを持ち上げたりすることもあるでしょう。肉体的にも精神的にも疲れ易い仕事ですよね。
さらに、一歩間違えれば命に関わる責任ある業務でもあります。私たちはそんな仕事をしているわけで、ゆっくり休養することも必要です。
120日休める職場って魅力的だと思いませんか?
自分のライフスタイルで職場を選ぼう!
理学療法士は自分のキャリアややりがいで職場を決めることが多いと思います。私もそうです。ただ、理学療法士であるのと同時に雇用されている職員という立場の人がほとんどのはずです。
立場は一般企業に勤めている会社員とほとんど変わりません。
そのため、仕事を選ぶ基準の中に休日数という選択肢があっても良いと思います。医療に従事している人は給与面なども気にしないことも多いです。
ですが、日本の先行きは不安定であり少しでも条件や環境の良い職場でキャリアを重ねていったほうが安全な印象があります。
もし今の職場で不安や不満があるならば、一度状況を見返してみてより条件の良い職場を探して転職するという選択を選んでも良いと思います。
また、自分のライフスタイルも大切にしましょう。
ライフスタイルがしっかりしてこそ良い仕事ができるというものです。
「週末に家族や友人と一緒に予定を合わせて出掛けたい」「休日は混雑してしまうから平日に出かけたい」「週末の講習会に参加していきたい」「家庭にいる時間を増やしたい」など、自分が大切にしたいことを順位付けし、いつ休みを取ったほうが良いのか考えた上で就職先・転職先を考えるとよいと思います。
休日を有意義に過ごせるかどうかは就業先によって変わります。入職してからでは変更することはできませんから注意が必要です。
もし「休日の多い職場に転職したい」と思ったのであれば、転職サイト(転職エージュント)を使うと良いと思います。
例えば「年間休日120日以上」と条件を指定すると、アドバイザーがそれに則った職場を探してきてくれます。また、有給がどのくらい消化できる職場か等、裏情報にも強いです。もちろん無料となってます。
ぜひ登録して転職を成功させてくださいね。
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