理学療法士・作業療法士の残業は多い?【平均はどのくらい?】

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理学療法士・作業療法士は残業が多いって本当でしょうか?

平均するとどの位なんでしょうか?

一般的な認知として、理学療法士や作業療法士は残業が少ない仕事だと思われています。ですが、私の周りの人たちはそれなりに残業をしている印象があります。

私が理学療法士になる前に読んだ資格書籍のほとんどに「医療職の中でも定時で上がりやすい職業」「休日もしっかり取れる職業」と紹介されていました。

では、実際のところ残業をしないで定時で帰っているPTってどの位いるのでしょうか?もしかして、本当は残業が多い仕事なのでは?いろいろな疑問があると思います。

もしあなたが残業がない職場に転職を検討しているのであれば役立つ内容になるでしょう。

それでは、理学療法士の残業の実態について解説していきます(PT・OT概ね同じと捉えて良いです)。

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理学療法士の残業時間の実際

  • 理学療法士の残業時間は?
  • 一般企業での残業時間は?

結論から言いますと、理学療法士の平均残業時間は「月5時間程度」と言われています。

しかしながら、職場環境によってかなり違いがありますよ。

私は現在まで4施設に勤めてますが、本当に職場によってまちまちでした。

結局、それって職場長の考え方次第なんですよね。

職場長が残業をさせたくない職場であれば残業をさせないで定時上がりさせようと管理します。

一方で、そのあたりに関与しない職場長だと業務管理が甘く残業ありきの職場になる傾向があります。

また、職場によっては残業代がもらえない「サービス残業」が強いられる職場もあります。

もう少し詳しく解説していきます。

理学療法士の残業時間は?

厚労省が実施している2019年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の1ヶ月の平均残業時間は「約5時間」です。

「5時間」という数字を見て、皆さんはどう感じるでしょうか?

多いと感じる人、少ないと感じる人さまざまだと思います。

労働基準法による上限は月45時間ですから、それと比較すると少ないですね。あたり前ですが。

私の場合、以前勤めていた職場の残業時間は月20時間程度だったので、その時に「5時間」という数字を見ていれば「少ないな」と感じたと思います。

ただ、現在は転職して定時で帰宅しているため「多いな」と感じますね。

では、他の医療職と比べるどうでしょうか?

同様に2019年賃金構造基本統計調査によると

  • 医師15時間
  • 薬剤師11時間
  • 看護師7時間

ということです。医療職の中ではリハビリ職は残業時間が短いようですね。

それでは、一般企業と比較するとどうでしょうか?

一般企業での残業時間は?

一般企業における1ヶ月の平均残業時間は「約10時間」ということです。

一般企業と理学療法士の残業時間を比較すると、理学療法士のほうが5時間短いという結果でした。

職種によってサービスが異なるので残業時間の大小はあると思いますが、一般企業の平均はもっと高いと思っていたので意外でした。

残業時間だけで考えると理学療法士の待遇はサラリーマン社員たちに負けてませんね(笑)

私は一般企業(営業・経理)でも働いていましたから、なんとなくイメージが湧きます。

営業の時は残業に次ぐ残業で月に40時間くらい残業がありました。経理に変わってからは定時で上がっており残業はゼロでした。

本当に職種によって残業時間って違うんですよ。

いずれにしても、いろいろな業種の中でも理学療法士の残業時間は少ないということがわかりました。

ただ、本当にそうなんでしょうか?

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理学療法士の残業時間が少ない理由

月の平均残業時間5時間は少ない部類ですが、実はそれには理由があります。

  • 前残業・サービス残業が多い
  • 休憩時間に業務を行っている

前残業・サービス残業が多い

前残業とは勤務時間の前に職場で業務を開始することを言います。皆さんの職場ではどうですか?

以前、私が勤務していた職場は朝8時45分から業務開始でしたが、経験年数の低いスタッフは情報収集などで1時間前くらいに出勤してました。

1番早く来るスタッフでは、始発で来ていた子もいました。

なぜそんなに早く来るのか聞いてみたのですが、課題が終わらないためとの事でした。

いくら経験年数が少なくて仕事の要領が掴めていなかったとしても、業務量的に問題があったとしか思えないですね。あるいは不要な課題だったのか。

いずれにしても、それだけ早く来て業務の準備をしていました。

また、業務後の残業については仕事が終わらない状況であれば必然的に残業がありました。

基本的に残業申請できるのですが、すべての時間を申請できるわけではなくサービスになる場合もありましたね。

理学療法士の1ヶ月の平均残業時間は「約5時間」と言われていますが、おそらく前残業やサービス残業の部分は含まれていないのではないかと思います。

前残業やサービス残業の時間を含めたらもっと多いのではないでしょうか。

休憩時間に業務を行っている

理学療法士の残業時間が少ない理由として「休憩時間に業務を行っている」ということも考えられます。

あなたの職場では昼休憩はしっかり取れていますか?

私が今まで勤めてきた職場では、1時間まるまる休憩を取れたためしがありませんでした。

18単位~19単位がノルマであったため、8:45~12:00フル(移動時間含む)で回って9単位取得、そこから12時~13時30分まで休憩なのですが、その休憩の時間に午前中の患者のカルテを書いていきます。

私の職場ではカルテを必要以上にしっかり書かなければいけない慣習があったため、新患がいる時は余計に大変でした。

結局12時過ぎからカルテを書いたり情報収集したり申し送りしたりしていると40~50分程度かかってしまいます。もうこの時点で1時間休憩取れないんですよ。

そして午後は13時30分~17:00頃までフルで回って9~10単位です。

そこから午後患者のカルテ記載をしなければいけないので定時で上がれることが珍しかったです。

これに加えて委員会や係、私はマネジメント業務も含まれていたので家に帰れませんでした(笑)。

ただ、昼休憩を使ってカルテを書いているため多少帰宅時間を早めることができてました。

こんな感じで休憩時間に業務を行うので、その分残業時間が少なくなっている場合があると思います。

友人や知り合いの職場の状況も聞いたことがありますが、休憩をフルで取れている職場はあまりなかった感じです。

現在は転職して、昼休憩2時間程度で且つ定時で帰れています。

職場次第とはいえ、同じ理学療法士という仕事なのに残業時間に差があり過ぎることに怖さを覚えます。

もちろん、こんな職場ばかりではありませんがこういう職場が多いのも事実だと思います。

理学療法士が残業をしなければいけない理由

「残業時間が少ない」というカラクリについて解説してきました。

実のところ理学療法士って残業多いんじゃないの?ということですね。

私は「理学療法士の残業時間5時間」は正確ではないと思っています。私自身や、私が接してきたさまざまな職場の人たちは時間外で残業代をもらわないで働いていました。

到底、月5時間で収まるものではありません。

では、その「実はもっと多いかもしれない残業」ですが、なぜそんなに残業をしなければいけなくなるのでしょうか?

残業するということは業務時間内に仕事が終わらなかったということですよね。

それにはいろいろな要素があると思いますが、経験上、下の内容に集約されるのではないかと思います。

  • 取得単位数のノルマ
  • カルテ(診療録)や他の書類業務
  • 新人または実習生指導があること
  • 上司からの指導やフィードバックがあること
  • 管理業務があること
  • 勉強会や研究
  • カンファレンス

取得単位数のノルマ

一般的な施設は取得単位にノルマを設けていることがほとんどです。ほとんどの場合は1日の取得単位数を「18単位」または「19単位」に設定している場合が多いです。

私が働いてきたどの職場も「18~19単位」取得をノルマとしていました。この単位数ですが、勤務している人ならご存じのように物議を醸すことが多い話題ですよね。

「○○さん、15分しかリハビリしてないのに1単位取得してました」「カルテ記載は単位に含めてはいけないのですか?」など、話題に事欠きません。

話が脱線しましたが、仮に19単位取得を目指す職場なら午前か午後に9又は10単位取得しなければいけないです。

例えば、朝8時45分から17時15分が業務時間だとした場合19単位を取得するのはまずまず大変です。

患者が清拭や検査をしていたりするとスムーズに回れないことがあり時間がズレて業務時間内に終わらない可能性が出てきます。

つまり、算定単位数のノルマがキツい職場は業務時間内に仕事が終わらない可能性が出てきます。

私が勤めていたある職場は19単位が必須でしたので業務過多なんじゃないかと本気で思ったものです。かたや、知り合いが勤めている職場は目標を16単位取得に設定してます。

もちろん、その知り合いは定時で上がっています。うらやましいですね。

カルテ(診療録)や他の書類業務

カルテ(診療録)や書類業務が多いことも業務内に仕事が終わらないことに繋がります。単位取得の要件の中にカルテ記載は含まれないため、カルテは診療とは別の時間に書く必要があります。

このカルテですが、職場によって記載の熱量が異なります。必要最低限の情報を記載すれば良しとする職場があれば、事細かく記載が必要とする職場もあります。

私はどちらも経験しています。カルテは丁寧に書いたとしたらそれだけで日が暮れます。18、19人の患者のカルテを事細かく書いていたら、決して業務内に終わりません

最低限の情報だけであれば1件1分弱で終わるため(初期評価を除く)そんなにかかりません。

書類業務はリハビリテーション実施計画書やサマリー、症状詳記などですね。署名を頂いてファイルに挟んだり、サマリーを書いているといつの間にか時間が経っていることがあります。

数が多いとその分残業まっしぐらです。

ただ、これらの書類業務やカルテ記載を簡易的で良しとしている場所もあります。

私が今勤めている職場は正にそんな場所で、カルテやサマリー記載を簡素化しています。もちろん、必要があれば深く記載します。

ただ、簡素化しているためカルテ記載は午前午後の患者分合わせても10分かからないですし、サマリーも10分程度で終わります。

新人または実習生指導があること

新人または実習生指導も業務時間内に仕事が終わらない要素と言えるでしょう。

指導をしながら診療をしていくことに加えて、フィードバックがあります。

指導をする中で目標単位数が18や19単位では大変ですが、大体の場合は職場長が単位数を減らして設定してくれるでしょう。

目標単位数が減れば、その分患者を回らずに指導ができるのでそこまで残業時間が増える危険はないかと思います。

ただ、目標単位数を再設定してくれない職場だとしたら確実に残業することになるでしょう。

万一、そんな職場に在籍していたとしたら指導者を辞めさせてもらうかすぐに転職を検討したほうが良いかもしれません。

上司からの指導やフィードバックがあること

上司からの指導やフィードバック。これが一番問題かもしれません。

私が在籍していた職場は、フィードバックに過剰に熱が入っている職場でした。

業務内に終わらないため、業務外までフィードバックを行うのです。

そのフィードバックも平気で1時間、2時間と続いていました。

私は経験年数が多い状態でその職場に転職してきたので誰からもフィードバックを受けずにすんだのですが、もし経験年数が少ない状態で転職してプリセプターがついていたとしたら即退職していたでしょう。

これも悪しき慣習だったと思います。

いずれにしても、職場によっては上司からの長いフィードバックのせいで業務内に帰れないということが起こります。ただ、このような指導はどの職業でも起こることではありますが。

管理業務があること

管理業務があった場合も残業リスクが高まります。

これも職場によりますが、プレーヤーとして診療を行いながら管理業務も行わなければいけないことがあります。

つまり18~19単位を取得しながら管理業務を行うということです。

上で解説してきたように、18~19単位のノルマがあった場合、カルテや雑務を含めると業務時間内ギリギリになります。加えて管理業務がある場合はどう考えても業務過多です。

確実に残業となります。

私が以前勤務していた職場がそんな感じでしたね。絶対に時間内に終わらないので毎日残業していました。

管理業務を行ったことがある人や現在行っている人はわかると思いますが、プレーヤーも兼ねての業務は時間内に終わることはほとんどないため前残業したりするのではないでしょうか?

勉強会や研究

勉強会研究も残業の要因になります。勉強会は病院毎に一定のペースで開催していると思います。大体15~60分くらいで行われることが多いでしょうか。

この勉強会ですが、業務時間内に行えずそのほとんどが昼休みや業務後の時間を使って開催されます。勉強会は任意で開催されることが多いですが、任意というのは名目で、経験年数が低い人はほぼ強制で参加させられることが多いと思います。

自分より経験年数多い人が勉強会に参加している場合、無視して帰りにくいですよね。

また、研究も時間外で行うことが多いでしょう。ただ、研究は自発的に行っていくものですから残業をしたとしてもまだ良いでしょうかね。

なかには強制的に研究をするよう指示される職場もあると聞きますが。

カンファレンス

どの施設でも行われているカンファレンス。カンファレンスも残業リスクを高めますね。

DrやNsなど他職種との相談になるので、彼らと時間を合わせることから時間内に行われることが多い印象があります。

ただし、カンファレンスが延長すると診療時間を圧迫することになり診療時間が延びてしまうこともザラにあります。

単位数のノルマがあるので切り上げるわけにもいかず、残業になることが多いです。

ただ、必要最低限のカンファレンスで終わらせている職場もあります。そのような職場であれば時間を圧迫しないため残業リスクを減らせるでしょう。

残業が多い職場の特徴

実は、残業が多い職場にはある特徴があります。定時帰宅を目指しているのであれば、知っておくと良いかと思います。以下に解説していきます。

➀給与に固定残業代が含まれる病院

給与に固定残業代が含まれる場合は残業が多い職場と考えられています。いわゆる「みなし残業」というやつですね。

「みなし残業」とは、給与の中に、あらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度のことを言います。

例えば「月10時間の残業を含む」と契約条件に記載されている場合、月10時間までの残業代は給与とは別に残業代としてもらえないということになります。

これは逆に考えると、最初から残業10時間分の金額が給与に含まれているので残業がない場合は得することになりますよね?

ですがその考え方は甘いです。

基本的に、残業があるからこそ給与の中にあらかじめの残業代を含めているわけです。

そのため「みなし残業代含む」という条件で求人募集している施設については、残業で残る場合が多いと考えたほうが良いでしょう。

残業して年収を上げたいと考えている人なら良いかもしれません。しかし、残業は嫌で定時帰宅を希望している人は注意して下さい。

そのような職場への転職においては、毎月どのくらい残業時間があるか、繁忙期の残業時間はどうか確認したほうが良いと思います。

➁規模が小さい訪問リハビリ事業所

訪問リハにおいては、月初や月末に提出しなければいけない書類が多いです。

規模が小さい事業所では事務職員がいないため、手続きを自分で行う必要があります。そのため、残業時間が長くなる可能性があります。

訪問リハは残業をしないで帰れる職場もありますので事業所毎のスタンスの差が出やすいと思います。

規模の小さい訪問リハ事業所を目指すのであれば、やはり残業時間がどのくらいあるかを確認しなければいけないと思います。

残業が少ない職場の特徴

対照的に残業が少ない職場もあります。

私は残業が嫌いで、残業がないということを優先的な希望として転職活動しました。

もしあなたが定時上がりを希望しているのであれば、下記の職域にフィールドを変えたほうが良いかもしれません。

残業が少ないと言われている領域です。

➀デイケア・デイサービスなど施設系

デイケアやデイサービスは残業が少ない施設が多いです。通所では利用者が帰宅する時間が早いため、業務時間内に書類業務が終わります。

デイサービスやデイケアはほとんどの施設で16時台に送迎が終わることが多いです。そのため、病院などに比べれば時間内に業務が終わる可能性が高いといえます。

また、カンファレンスの回数が病院に比べて少ない傾向にあります。その意味でも残業は少ない可能性があると言えるでしょう。

私の知り合いも特養に勤務していますが、月の残業は2時間程度とのことです。ただ、これも施設によって差がありますので注意が必要ですね。

残業が少ない職場を探す時のコツ

ここまで、理学療法士は考えられているよりも残業が多いということ、また、残業が多くなる要因について解説してきました。

それでは残業しないで定時で帰るためにはどうしたら良いのでしょうか?

現在の職場で残業がある人は、まずは働き方を見直してみましょう。その際に、自分一人で修正できる問題なのか、職場自体を巻き込まなければいけない問題なのかを判断しましょう。

それらを鑑みて、努力すれば修正できるならば転職するよりも職場に残ったほうが良いと思います。

しかし、修正できない状況であるなら転職を検討しましょう。

その場合、注意しなければいけない点があります。今まで解説してきた内容のまとめになりますね。

  • みなし残業がない職場であること
  • できるだけ介護保険領域の施設を目指すこと(事業所の小さい訪問リハは注意)
  • ノルマの単位数が多くないこと
  • カルテ記載や雑務が簡素化できること
  • フィードバックを受ける必要がない状態であること
  • 管理業務を避けるか、管理業務があったとしてノルマの単位数が多くないこと
  • 勉強会はどの位の頻度か。研究は任意か。
  • カンファレンスの開催頻度や時間はどのくらいか。

以上になります。

このあたりの内容は職場見学に行った際に質問して確認することをオススメします。もちろん聞き方は出来る範囲でライトな感じで。

例えば・・・

ノルマの単位数が多くないこと→「目標単位数はどれくらいでしょうか?」

カルテ記載や雑務が簡素化できること→「皆さん、カルテは書く時間ってどの位でしょうか?」

フィードバックを受ける必要がない状態であること→「私が入職する際の教育体制はどんな感じでしょうか?」

管理業務を避けるか、管理業務があったとしてノルマの単位数が多くないこと→「マネジメント業務をしながらですと、取得単位数はどの位を目指すべきでしょうか?」

とかですね。

職場見学の質問以外で残業がないかどうかを知る方法として「転職サイト」を使うという方法があります。

「転職サイト」を使うことで、担当アドバイザーから希望する職場の細かい情報を聞き出すことができます。「転職サイト」によっては希望する職場の裏事情に詳しかったりするのです。

また、転職サイトによっては面接や見学を同伴してくれたりもします。

私が使った際は面接や見学に同伴してくれまして、聞きづらい内容の質問なども積極的にしてくれました。

コロナが流行してからの転職だったため、面接と見学が同日でした。そのため見学も一緒に回ってくれてその際にいろいろ質問してくれたという感じです。

一人で転職活動をする場合よりも有意義な情報を得る機会が多いので転職サイトを活用していきましょう。

どこの転職サイトも完全無料1分で登録できます。登録後使ってみて、嫌になったらすぐに解除も可能です。解除も1分程度ですね。

転職サイトを活用し残業がない良い待遇の職場を目指してプライベートを充実させましょう。

おすすめ転職サイトのまとめです。参考になさって下さい。

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